旭化成は総合化学メーカーの大手。
いったいどんなビジネスをしているのかは見えにくいものの、その名を知らない人はいないのではないでしょうか。
そんな旭化成へ投資してみたいという人も少なからずいることでしょう。
しかし、株価分析は投資に値する結果と言えるのでしょうか。
また、配当金や株主優待、直近の売上状況などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回は旭化成の株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
旭化成(3407)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
旭化成(3407)の株価分析
旭化成の事業内容
旭化成は主な事業セグメントは「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3種類です。
マテリアルは旭化成の名前のとおり化学をベースにした繊維、化学品、エレクトロニクス関連素材を生産するセグメントです。
住宅はヘーベルハウスのブランドがお馴染みですね。
ヘルスケアは医療用医薬品がメイン事業。
様々な新薬を開発しています。
それぞれマテリアル、住宅、ヘルスケアは旭化成エレクトロニクス、旭化成ホームズ、旭化成ファーマを中心とした6つの事業会社が展開しています。
なお、旭化成全体の売上高に占める構成比はマテリアルが約5割、住宅が3割強です。
ヘルスケアも16%と無視できない数字ですが、株価分析のうえではマテリアルと住宅を中心に見ていくと良いでしょう。
ちなみに、旭化成の原点は旭絹織物株式会社。
そこから合成アンモニアやエチレンなどの化学品の製造へと手を広げて現在に至ります。
そういった基礎のうえに我々のよく知るサランラップのような旭化成の人気商品ができていると考えると少し感慨深いものがありますね。
旭化成の売上の状況
旭化成の2020年3月期の連結売上高は2兆1,516億円。
そこから各種経費などを引いた経常利益は1,840億円です。
また、2021年3月期の売上は前期比26.7%~32.3%減の1,200億円から1,300億円を見込んでいます。
これは色々な要因が絡んでいますがやはり新型コロナウィルスの影響も大きな理由のひとつです。
自動車や家電など旭化成の素材は実に様々な製品に関係してきます。
そういった幅広い用途が経済全体の落ち込みの影響をダイレクトに受けたかたちです。
ただ一方でヘルスケア事業は好調。 今回のダメージをいくらか軽減させることができました。
旭化成の資産状況
2020年6月期の旭化成の総資産は2兆7,880億円。
そのうち資本金と株主資本等が占める割合である自己資本比率は48.6%です。
自己資本比率は企業の財務的な安定性をはかる一般的な指標。
旭化成の自己資本比率48.6%はまずまずの数字です。
基本的には株価分析の際に財務的な部分をネガティブ評価する必要はないでしょう。
旭化成の株価分析
厳しい売上状況を反映して旭化成の株価は軟調。
新型コロナウィルスの影響は抜けつつあるものの上値は重い展開です。
ただ、この10年で見ると現在の旭化成の株価はあまりにも安すぎる印象です。
回復にはいましばらく時間を要するでしょうが、今のうちに投資しておくという選択肢も十分にありでしょう。
当面の目標は株価1,200円~1,400円といったところでしょうか。
旭化成(3407)の配当金
旭化成の予想配当金は34円。
投資額に対するリターンの割合である配当金利回りで言うと3.66%です。
これは配当金の利回としてはかなり良い数字です。
また、現在の旭化成の株価がおよそ930円ということも大きなメリットです。
旭化成の株式の売買単位は100株から。
したがって、10万円もあれば3.66%もの利回りで投資できることになります。
単純に100万円分旭化成へ投資すれば36,600円もの配当金が貰える計算です。
少額の投資では配当金も微々たるものですが、それでも利回りの良さを考えると魅力的な銘柄と言えるでしょう。
旭化成(3407)の株主優待
旭化成に株主優待はありません。
正直なところ、サランラップなどはいくらあっても困らないのでぜひとも株主優待で貰いたいところですが、そういったものもありません。
もっとも、旭化成の配当金の利回りが高いことは先に触れたとおりです。
株主還元という視点で見れば株主優待がなくとも十分であると言えるでしょう。
なお、日用品というカテゴリーで言えば、日本製紙や大王製紙などの株主優待がおすすめです。
これら2社の株主優待はトイレットペーパーやティッシュなどの自社製品。
サランラップと同じくいくらあっても困らない内容です。
旭化成(3407)の株価分析を競合他社と比較
旭化成の競合他社としてここでは住友化学と信越化学工業、そして三井化学の株価分析と比較してみましょう。
まずは住友化学の株価です。
住友化学は石油化学に強みを持つ化学品大手。
その他エレクトロニクスや自動車なども手掛ける多角経営は旭化成と同様です。
しかし株価はいまひとつ。
新型コロナウィルスからの反発の勢いも強くありません。
ただ、現状はっきりとした方向感は見えませんが下落圧力もそう強くは見えません。
今のうちに投資しておくのも悪くないかもしれません。
次に信越化学工業の株価です。
信越化学工業は塩化ビニルとシリコンに強みを持つ企業。
株価は旭化成とは対照的に右肩上がりです。
様々な好材料が出ているためどれが主要因と言い切れないところですが、もう一段の株価上昇も見込めそうな印象です。
ただ、株価は10,000円超えと旭化成の10倍以上。
投資するにはそれなりの資金力が必要になる点が玉に瑕です。
最後に三井化学の株価を見てみましょう。
三井化学は石油製品を中心としつつも自動車やヘルスケアなど幅広い事業を展開しています。
そういった意味では旭化成によく似た企業と言えるでしょう。
それゆえか株価の値動きも旭化成とよく似ています。
配当金利回りも3.68%とほぼ同等。
株価こそ安くはありませんが、代わりとしてはかなり有望な銘柄と言って良いでしょう。
以上のように同じ化学品分野であっても扱う化学品や用途によって株価の値動きはまちまちです。
旭化成以外の化学品メーカーへ投資するときは事業領域の違いには特に注意しておきましょう。
旭化成(3407)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
旭化成の株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
株価については厳しい売上状況を反映して軟調。
新型コロナウィルスの影響を脱しきれていません。
ただ中長期的には現在の旭化成の株価や安すぎる印象です。
割安な今のうちに投資しておくのも十分にありでしょう。
また、旭化成は株主優待こそありませんが、配当金の利回りが極めて高めです。
株価回復には時間がかかりそうという点だけを承知しておけば十二分に優良な銘柄と言って良いのではないでしょうか。