第一生命ホールディングスは生命保険業界の大手のひとつ。
積極的なCM戦略で知名度も抜群です。
そんな第一生命ホールディングスへ投資してみたいという人も多いのではないでしょうか。
しかし、株価分析の結果は投資に値するものと言えるのでしょうか。
また、昨今の売上の状況や配当金、株主優待などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回は第一生命ホールディングスの株価分析と配当金を、株主優待について分かりやすく解説していきます。
第一生命ホールディングス(8750)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
第一生命ホールディングス(8750)の株価分析
第一生命ホールディングスの事業内容
第一生命ホールディングスの事業は「国内生命保険」「海外生命保険」「資産運用・アセットマネジメント」の3つに大別されます。
ただ、実際のところ第一生命ホールディングスの経常収益の約6割は国内生命保険事業、そして3割が海外生命保険事業です。
株価分析の際にはこの2つの売上を中心に見ていけば良いでしょう。
また、第一生命ホールディングスはあくまで持株会社です。
具体的な業績を見る際は、できれば「第一生命保険株式会社」「第一フロンティア生命株式会社」「ネオファースト生命保険株式会社」など傘下の子会社の動向まで注意しておくとなお良いでしょう。
なお、生命保険には掛け捨ての生命保険のほか返戻金(へんれいきん)のある貯蓄性商品も存在します。
そのなかでも第一生命ホールディングスは「銀行窓口」での貯蓄性保険の販売で国内トップのシェアを誇ります。
第一生命ホールディングスは顧客属性を明らかにしていませんが、現在はオンラインによる保険契約も普及してきました。
銀行の窓口で貯蓄性保険を契約する若者はそう多くはないはずです。
したがって、おそらく第一生命ホールディングスの主要顧客は中高年の方々ではないかと思われます。
第一生命ホールディングスの売上の状況
第一生命ホールディングスの2020年3月期決算の連結売上高は7兆1,141億円。
そこから各種経費を引いた経常利益は2,184億円です。
また、2021年3月期決算の予想売上高は前期比8.8%減の6兆4,870億円を見込んでいます。
第一生命ホールディングスの強みは銀行「窓口」での保険販売です。
そのため、やはり外出自粛、対面営業の制限などが響いたかたちでしょう。
ただ、罹患率・致死率の上昇による保険金支払いの増加は見られません。
周知のとおり、日本では新型コロナウィルスの重症化率はなぜか低いままです。
これは第一生命ホールディングスにとっても僥倖(ぎょうこう)だったと言えるでしょう。
第一生命ホールディングスの資産状況
2020年6月期における第一生命ホールディングスの総資産は60兆7,812億円。
そのうち株主資本と資本金等が占める割合である自己資本比率は6.6%です。
自己資本比率は企業の財務的な健全性をはかる一般的な指標。
高いほど安定しているとみなされます。
しかし、第一生命ホールディングスの自己資本はわずか数%しかありません。
これはいくらなんでも低すぎるのではと心配になる数字です。
ただ、そもそも第一生命ホールディングスの事業は人のお金を預かる保険です。
したがって資本の大半が他人資本に由来するのも道理です。
数字上は低い自己資本比率ですが、株価分析の際にそこまで不安視する必要はありません。
第一生命ホールディングスの株価分析
第一生命ホールディングスの株価は新型コロナウィルス流行を契機に一時急落。
ただ、その後ほどなくして株価は以前の水準まで戻しています。
また、反転後の勢いも底堅く、一段の上昇の余地もあるように見えます。
直近5年間で見ても現在の第一生命ホールディングスの株価は最安値の水準です。
割安な今のうちに投資しておくのも良いのではないでしょうか。
ただし、保険というビジネスは予想外の事故や自然災害の影響をダイレクトに受けるものです。
予測できない以上は対策のしようもありませんが、投資する際にその点は承知しておきましょう。
第一生命ホールディングス(8750)の配当金
第一生命ホールディングスの予想配当金は62円。
投資額に対するリターンの割合である配当金利回りは3.7%です。
この配当金の利回りはかなり良い数字です。
仮に第一生命ホールディングスへ100万円分投資すればそれだけで年間3万7,000円の配当金が貰えると想像してみれば割の良さがイメージできるのではないでしょうか。
また、そもそも株価が1,600円程度と手頃であることも大きなメリットです。
100万円と言わず、最低20万円もあれば投資可能ですから気軽に購入可能です。
総じて、第一生命ホールディングスは初めての株式投資で配当金を貰ってみたいという人にもおすすめできる銘柄と言えるでしょう。
第一生命ホールディングス(8750)の株主優待
第一生命ホールディングスに株主優待はありません。
保険という商品の性質を考えればこれも仕方のないことでしょう。
そもそも、自分が第一生命ホールディングスの保険の契約者だったとしたら、自分の支払った保険金が株主優待へ回っていると考えると面白くないはずです。
第一生命ホールディングスに株主優待は期待しないでおきましょう。
第一生命ホールディングス(8750)の株価分析を競合他社と比較
第一生命ホールディングスの競合他社としてここではかんぽ生命保険とライフネット生命保険の株価分析と比較してみましょう。 まずはかんぽ生命の株価です。
かんぽ生命と言えば郵便局のブランド力を持つ保険会社。
しかし、株価は第一生命ホールディングス以上に冴えません。
保険商品の不適切販売も記憶に新しい事件です。
信頼が十分に回復するまではいましばらくの時間がかかることでしょう。
次にライフネット生命保険の株価を見てみましょう。
第一生命ホールディングスとは異なりライフネット生命保険の株価は右肩上がり。
もはやウナギ登りと言ってよいほどです。
これはやはりライフネット生命保険がインターネット専業の生命保険であることが大きな理由です。
新型コロナウィルスの流行による外出自粛による特需と言って良いでしょう。
同じ生命保険という業種でも窓口販売とインターネット販売でここまで明暗が分かれるというのも驚きですね。
第一生命ホールディングス(8750)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
第一生命ホールディングスの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
株価は厳しい売上状況を反映してやや軟調。
新型コロナウィルス以前の水準へは戻しましたがまだ勢いは強くありません。
ただ、現状の第一生命ホールディングスの株価は安すぎる印象です。
ここで買いに走るのも悪くないでしょう。
また、株主優待こそありませんが配当金が手厚いことも魅力です。
中長期保有前提であれば第一生命ホールディングスは極めて優良な銘柄と言って良いのではないでしょうか。