ファミリーマートは言わずとしれたコンビニ大手。
日頃、お世話になっている人も多いことでしょう。
そんな身近な存在であるファミリーマートへ投資してみたいという人も多いはずです。
しかし、ファミリーマートの株価分析の結果は投資に値するものと言えるのでしょうか。
また、直近の売上状況や配当金、株主優待などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回はファミリーマートの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
ファミリーマート(8028)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
ファミリーマート(8028)の株価分析
ファミリーマートの事業内容
現在のファミリーマートの事業内容はコンビニエンスストア事業のみです。
過去にファミリーマートはユニーを吸収合併。
その後はコンビニエンスストア事業とともに総合小売事業も展開していました。
しかし、2019年にユニーとカネ美食品の全株式をパン・パシフィックホールディングス、つまりドン・キホーテへ譲渡することでコンビニエンスストア事業のみに注力することとなりました。
そのほかファミリーマートはクレジットカード事業やエンターテイメント事業なども手掛けてはいますが、あくまでもコンビニエンスストア事業の周辺事業にすぎません。
ファミリーマートの株価分析の際にはコンビニエンスストア事業にのみ注目しておけば十分でしょう。
もっとも、それはファミリーマートへ投資できる場合の話です。
実はファミリーマートは伊藤忠商事の完全子会社化が決定したため、近く上場廃止される予定です。
したがって、今後、ファミリーマートへ投資することはできません。
投資によってファミリーマートを応援したいという人は伊藤忠商事への投資をすることになります。
また、純粋にコンビニ業へ投資したいという人は競合他社へ投資するほかありません。
ファミリーマートの売上の状況
ファミリーマートの2020年2月期決算の連結売上高は5,171億円。
そこから経費などを引いた経常利益は462億円です。
また、ファミリーマートは直近の第2四半期決算資料において2021年2月期の連結売上高については11%減の4,600億円と予測しています。
株価分析をする際の資料として前年度末の決算短信を見る人も多いかと思います。
しかし、2019年度のファミリーマートの決算短信に掲載されている2021年の予想売上高は前年比0.4%増と新型コロナウィルスの影響を織り込んでいません。
そして、この売上予測をもとにファミリーマートの業績予想をしている二次情報もまま見受けられます。
当然、誤った数字で今後の成行きを正確に見通すことはできません。
ファミリーマートにかぎらず、いざ投資すると決めたら最新の一次情報にも目を通しておくようにしましょう。
ファミリーマートの資産状況
2020年5月期におけるファミリーマートの総資産は2兆594億円。
そのうち株主資本と資本金等が占める割合である自己資本比率は29.0%です。
自己資本比率は高いほど財務的に安定していると判断される指標。
ファミリーマートの自己資本比率29.0%はやや低めの数字です。
現状、数字だけで見ればファミリーマートの財務的な部分はやや不安が残るような印象があります。
しかし、ファミリーマートが伊藤忠商事の完全子会社化することは先に触れたとおり。
ファミリーマートの財務的な部分を見るよりは伊藤忠商事の資産状況に注目したほうが良いでしょう。
ファミリーマートの株価分析
ファミリーマートの株価は2020年夏に異常な急騰をしています。
これは先に触れた伊藤忠商事によるTOBが原因です。
伊藤忠商事は株価2,300円でファミリーマートの株を公開買付。
そのため一気に2,300円まで株価が上昇したのです。
ちなみに、ファミリーマートはこの公開買付価格にやや不満を持っていた様子。
自社の価値を低く見積もられたと感じているようです。
これは裏を返せば伊藤忠商事が比較的割安にファミリーマートを取得できたということでもあります。
ある意味では今後、伊藤忠商事へ投資するつもりの人にとっては好材料とも言えるかもしれません。
ファミリーマート(8028)の配当金
ファミリーマートの配当金は年間110円~144円で推移していました。
しかし、ファミリーマートは伊藤忠商事の子会社化にともない上場廃止予定。
以後、ファミリーマートへ投資して配当金を貰うことはできません。
コンビニへ投資して配当金を貰いたい人は他社へ投資しましょう。
ちなみに、ローソンの配当金利回りは3.05%、セブン&アイホールディングスは3.04%とあまり差がありません。 配当金だけで考えればどちらへ投資しても良いでしょう。
ファミリーマート(8028)の株主優待
ファミリーマートに株主優待はありません。
ローソン、セブン&アイホールディングスも同じく株主優待はなし。
今後ファミリーマートの親会社となる伊藤忠商事にもありません。
株主優待目当てで投資する人は他の業種への投資を検討したほうが良いでしょう。
ファミリーマート(8028)の株価分析を競合他社と比較
ファミリーマートの競合他社と言えばもちろん、ローソンとセブン&アイホールディングスです。
まずはローソンの株価と比較してみましょう。
ローソンの株価は中長期的には下落傾向。
ファミリーマートについては中長期の株価を見ていませんでしたが、ほぼ同様です。
ローソンの株価は2019年に異常な急落を見せていますが、これは業績悪化を理由に配当金を減額したことが理由です。
次にセブン&アイホールディングスの株価を見てみましょう。
セブン&アイホールディングスの株価もまた2019年に急落しています。
これはフィランチャイズ営業の店舗による24時間営業に対する反発を発端としています。
理由はそれぞれ違いますがコンビニ各社の株価はのきなみ下落トレンドです。
ファミリーマートの代わりに投資するにしても慎重な判断が必要でしょう。
小規模総合小売から24時間営業、ホットスナックの導入やコーヒーの店頭販売など、コンビニの営業形態は時代とともに大きく変わってきています。
コンビニへ投資するつもりの人は今後どのような展開を見せるのか注目しておきましょう。
ファミリーマート(8028)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
ファミリーマートの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
株価については厳しい売上状況を反映して下落傾向でしたが伊藤忠商事による完全子会社化決定によって急反発。
ただし、近く上場廃止となるため投資はできません。
当然、今後ファミリーマートへ投資して配当金や株主優待を貰うことも不可能です。
ファミリーマートに興味のあった人は親会社となる伊藤忠商事、あるいは競合のローソンやセブン&アイホールディングスへの投資を検討しましょう。
ただし、いずれの銘柄にも株主優待はありません。
株主優待目当てで投資するつもりの人には他の業種への投資をおすすめします。