イオンと言えば全国に展開する総合スーパーです。
休日はいつもお世話になっているという若者やファミリーの人も多いのではないでしょうか。
そんなイオンへ投資してみたいという人も少なくないはずです。
しかし、イオンの株価分析は投資に値する結果と言えるのでしょうか。
また、売上の状況や配当金、株主優待などはどうなっているのでしょうか。
そこで今回はイオンの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
イオン(8267)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
イオン(8267)の株価分析
イオンの事業内容
イオンの主な事業内容は小売です。
一応、イオンはそのほかヘルスケア、金融、不動産なども手掛けており多角経営を標榜しています。
しかし、実際のところイオンの中核はやはり小売業です。
ひとくちに小売業と言っても、株価分析に際しては業態によっていくつかの分類に分けられます。
そのなかでイオンはGMS(総合スーパー)とSM(スーパーマーケット)が主力事業です。
総合スーパーは複数階建ての店舗で衣食住を幅広く扱う業態。
我々が一般的にイメージするイオンと言えばこのGMSです。
対してSMは主に食料品を扱う店舗です。
マックスバリュと聞けば日頃お世話になっている人も多いのではないでしょうか。
イオンの株価を業績から分析するときは以上の2つ、GMS事業とSM事業を中心にして見ていきましょう。
イオンの売上の状況
イオンの2020年2月期の連結売上高は8兆6,042億円。
経費などを引いたあとの経常利益は2,058億円です。
そして2021年2月期の売上予測は前年比2.4%~7.0%減の8兆~8兆4,000億円としています。
これは言うまでもなく新型コロナウィルスの影響によるものです。
外出自粛による食料品の買いだめ需要などはSM事業の売上には好影響であったものの、やはりイオン全体としてはマイナスの結果でした。
このマイナスが一過性のものかどうかは未知数です。
新型コロナウィルスが収束したとしても、経済活動の停滞で職を失ってしまった人は少なくありません。
そしてイオンのような小売業は一般消費者の懐事情が売上に直結します。
今後の国内景気によってはもうしばらく厳しい状況が続くかもしれません。
イオンの資産状況
2020年6月期におけるイオンの総資産は11兆2,744億円。
そのうち資本金と株主資本等が占める割合である自己資本比率は8.8%です。
自己資本比率は企業の財務的な健全性をはかる指標。
イオンの8.8%という自己資本比率は小売業のなかではかなり低めです。
ただ、これをもってイオンが財務的に不安定ということではありません。
事業内容で触れたようにイオンは金融事業も営んでいます。
銀行や保険といった事業の原資のほとんどは預金や掛け金のような他人資本です。
そのため、イオンの自己資本比率は低めの数字となっているのです。
自己資本比率が低いからと言ってそこまで株価分析の際に問題とする必要はないでしょう。
イオンの株価分析
イオンの株価は堅調です。
新型コロナウィルスの影響で一次急落したものの、ほどなくして株価は回復。
すでに以前の水準へと値を戻しています。
ただ、良い買いのタイミングと言えるかというと微妙なところです。
やはりイオンの業績は国内の消費動向に大きく左右されるからです。
そういった意味では、今後のイオンの株価上昇を予測できるようなポジティブなニュースは少ないと言わざるを得ないでしょう。
また、10年という長期で見ても現在のイオンの株価は高い水準です。
現在、そして今後の景気動向を考えるとこれ以上の株価上昇はやはり不自然な印象です。
株の売買差益で利益を狙う人はいましばらく様子見をおすすめします。
イオン(8267)の配当金
イオンの予想配当金は36円。 投資額に対するリターンの割合である配当金利回りは1.27%です。
このイオンの配当金利回りはやや低めの水準です。
純粋に配当金狙いで投資するのであれば、他の銘柄を探したほうが良いでしょう。
もっとも、利回りという点から見るとイオンは配当金だけではなく株主優待も考慮すべきです。
これについては次に詳しく解説していきます。
イオン(8267)の株主優待
イオンの株主優待はオーナーズカードの発行とギフトカードです。
まずはオーナーズカードについて。
このオーナーズカードは買い物の際に提示すること金額の一定割合がキャッシュバックされます。
キャッシュバックは株の保有数によって3%~7%と変化しますが、最低投資単位の100株でも3%のキャッシュバックです。
これは実に割の良い株主優待と言って良いでしょう。
ただ一方でギフトカードは1,000株以上の株主限定の株主優待です。
必ず貰えるわけではないので注意しましょう。
ちなみに、オーナーズカード保有者はイオンの店舗内にあるラウンジが利用できるという特典もあります。
ラウンジには軽食や飲み物などが用意されており、ちょっとした休憩に便利です。
実際に訪れてみると分かりますが、買い物時間の長いパートナーを待っているような人も少なくありません。
ただ残念ながら、現在は新型コロナウィルスの影響によりラウンジの利用は停止しています。
とはいえ、イオンをよく利用する人には地味に嬉しい特典です。
公式の株主優待ではありませんがサービス再開後には遠慮なく活用していきましょう。
イオン(8267)の株価分析を競合他社と比較
イオンの競合他社としてここではセブン&アイホールディングスの株価分析と比較してみましょう。
イオンとは対照的にセブン&アイ・ホールディングスの株価は軟調。
新型コロナウィルスの影響が出る以前の水準への道のりはまだ遠い状況です。
セブン&アイ・ホールディングスはイトーヨーカドーや西武、そごうなどGMS事業が大きな比率を占める一方でSM事業はそれほど大きくありません。
こういった事業内容の違いが株価の明暗を分けるにいたったのでしょう。
また、セブン&アイ・ホールディングスは配当金利回りはそれなりですが、株主優待がありません。
イオンと同じような感覚で投資するには不十分と言わざるを得ないでしょう。
株価自体も3,000円台とイオン以上にハードルが高めです。
反転を期待して今のうちに投資しておくという手もありますが、イオンの代わりとは考えないでおいたほうが良いでしょう。
イオン(8267)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
イオンの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
株価は新型コロナウィルスの影響で一次急落したものの、現在はすでに回復し年初来高値を更新しています。
ただし、この上昇トレンドが続くかは不透明。
イオンのような小売業の売上は一般消費者の景況感に大きく左右されるからです。
ただ一方で、配当金こそそれなりですがイオンの株主優待は非常に手厚いものとなっています。
株価の上下云々は置いておいても、イオンをよく使う人は株主優待目的で投資しておくだけでも十分に魅力的な投資になると言えるでしょう。