LINEと言えばSNSの先駆け。 そのメッセンジャーアプリは若者から中高年の人々まで実に幅広い年代の人に愛用されています。
そんなLINEへ投資してみたいという人も多いのではないでしょうか。
しかし、LINEの株価分析は投資に値するものと言えるのでしょうか。
また、配当金や株主優待、昨今の売上状況などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回はLINEの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
LINE(3938)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
LINE(3938)の株価分析
LINEの事業内容
LINEと言えばメッセンジャーアプリの先駆け。 そのアプリを起点として様々なサービスを展開しています。
そのサービスをLINEはコア事業と戦略事業の2種へ大別しています。
コア事業はその名のとおり事業の核となる領域。
LINE NEWSやLivedoor blogなどに表示される広告事業、LINE GAMEのコンテンツ事業、LINEスタンプのコミュニケーション事業などで構成されます。
戦略事業はコア事業で得た資源をもとに成長させることが目的のセグメント。
LINE Payなどのフィンテック、AI、その他Eコマースなどで構成されます。
LINEは業績報告についてコア事業、戦略事業ごとに詳細を公表しています。
株価分析の際にはそれらの内訳を見て動向を探るというのが基本になるでしょう。
ただ、LINEは2021年3月にヤフーを傘下に持つZホールディングスと経営統合する予定です。
これによりLINEは上場廃止となりLINE単体への投資は不可能になります。
LINEへの投資を検討している人は代わりにZホールディングスの株式の購入を検討することをおすすめします。
LINEの売上の状況
LINEの2019年12月期決算の連結売上高は2,274億円。
前期比で9.8%増です。
しかし、そこから経費や税金などを引いた当期利益を見ると514億円の赤字です。
これは前期にLINEモバイルとLINE Games Corprationを分社化したことによる利益の喪失がもっとも大きな要因です。
そのほか大規模な人員増加やLINE Payのプロモーション費用増加も無視できない要因です。
ただ、費用はかさんでいるものの売上自体は前年比増。
コア事業、戦略事業のいずれも好調です。 数字上は赤字ですが、総じてLINEの業績は悪くありません。
LINEの資産状況
2020年6月期におけるLINEの総資産は5,566億円。
そのうち資本金と株主資本等が占める割合である自己資本比率は25.6%です。
自己資本比率は高いほど財務的に安定していると判断される指標。
LINEの自己資本比率25.6%はお世辞にも高いとは言えない数字です。
ただ、LINEは現在フィンテックやAIなど新規事業を展開しているところです。
そのため借入金などで積極的な投資をしていることが自己資本比率の低下につながっています。
とくに資金繰りに窮して自転車操業状態にあるというわけでもありません。
財務的に悪化していることはたしかですが、攻めの経営姿勢の結果であると一定の評価をしても良いでしょう。
LINEの株価分析
LINEの株価はZホールディングスとの経営統合発表後に急騰。
これは韓国NAVER社と、Zホールディングスの親会社であるソフトバンクが経営統合のために5,200円~5,380円で株式の公開買付を行ったことによります。
これによりLINEの株式を個人が買い付けることはほぼ不可能になりました。
ちなみに、M&Aの際に株価をいくらと評価するかは専門家が詳細な分析をして決めています。
実務的にどうかは分かりませんが一般的にはDCF法と呼ばれる手法で企業価値を決めると言われています。
そしてDCF法を使えば個人投資家が株価の理論価値をはじき出すことも可能です。
ある程度高等数学が必要になる内容ですが興味のある人は調べてみても良いかもしれません。
LINE(3938)の配当金
LINEに配当金はありません。
一般的に急成長を続ける企業には配当金がないことが珍しくありません。
利益を配当金とし分配するのではなく、さらなる成長のための投資に使うからです。
2016年に上場したLINEもまたこの例に漏れず上場以来、配当金ゼロを継続していました。
なお、LINEの親会社となるZホールディングスには配当金はあります。
配当金が気になる人はそちらを参照してみてください。
LINE(3938)の株主優待
LINEに株主優待はありません。 配当金もないのですからこれも当然と言えば当然かもしれません。
もっとも、先に触れたとおりLINEは経営統合により上場廃止となります。
配当金と同じく株主優待の有無についても問題とはならないでしょう。
LINE(3938)の株価分析を競合他社と比較
LINEの競合他社としてここではサイバーエージェントとZホールディングスの株価分析と比較してみましょう。
まずはサイバーエージェントの株価です。
サイバーエージェントに関しては経営統合のようなニュースはないものの株価は好調。
これは新型コロナウィルスの流行による外出自粛でサイバーエージェントの手掛けるスマホゲームやネットTVの業績が好調だったことが主要因です。
ただ、すでに株価は高値水準です。
LINEと同様に投資するにしても慎重な判断が必要でしょう。
次にZホールディングスの株価です。
ZホールディングスとLINEが経営統合することは先に触れたとおり。
正確にはもはや競合ではありませんが、比較しておく価値はあるでしょう。
ZホールディングスについてはLINEとの経営統合はそれほど株価に影響していないことが分かります。
ただ、新型コロナウィルスの流行後に株価は急騰。
これもまた外出自粛の影響でEコマース事業が好調だったことが大きな理由です。
他業種の業績悪化による広告出稿停止こそあったものの、そのマイナスをEコマース事業の売上がカバーできたかたちです。
ちょうど前期にZOZOを子会社化したことも大きく寄与しています。
このように、以後、ZホールディングスはZOZO、LINE、ヤフーといった大手インターネット関連企業を傘下に持つこととなります。
LINEへ投資するつもりでZホールディングスの株を購入するとしても、LINE単体の業績だけではなく総合的に見ていくようにしましょう。
LINE(3938)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
LINEの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
売上は好調なものの分社化の特別損失などで最終的な利益は赤字。
株価についてはZホールディングスとの経営統合決定を機に急騰しています。
ただ、LINEは経営統合の結果として上場廃止となる運命です。
また、配当金も株主優待もありません。
LINEへ興味がある人は事実上LINEの親会社となるZホールディングスへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。