老後の資金の確保や子供の進学などに伴う将来の教育費の確保の手段として、近年注目をあびているNISA。
そんなNISAをこれから始めてみたいと考えている人の中には「投資が怖い」と不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
「銀行に預けておくよりも資産が増える」「節税対策につながる」などNISAのメリットはこれまで大々的にいわれてきましたが、デメリットがあるのかどうかも気になるところですよね。
そこで今回は、NISAのデメリットについて分かりやすく解説していきます。
NISAのデメリットを分かりやすく解説
「節税できる」「資産が増える」など、メリットばかりが伝えられがちなNISAですが、デメリットが全くないというわけではありません。
またNISAを始めるのであればNISAのメリット・デメリットを両方知って納得した上で、NISAを始めることが大切です。
そもそもNISAとは国が導入した投資制度の1つを指します。
NISAの正式名称は「少額投資非課税制度」というものであり、簡単に言ってしまえばNISAを通して投資を行い得た収益は非課税となるという制度です。
「投資という資産運用方法で資産が増やせる」+「節税効果がある」というメリットでNISAはこれまで投資をしたことがない人でも、興味を持つ人が多い制度になっています。
またNISAには実は3つのタイプがあり、2021年現在では「NISA(一般NISA)」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つからどのNISA口座を選んで資産運用するかを決めることになっているのです。
それでは実際にNISA(ここでは一般NISA)の具体的なデメリットをみていきましょう。
NISAのデメリット 投資限度額が年間最高120万円
NISA(ここでは一般NISA)のデメリットとしてまずあげられるのが、投資限度額が年間最高120万円となっている点でしょう。
投資限度額が年間最高120万円ということから、投資の条件としては比較的安めの設定となっており、これまで投資経験のある人であれば若干もの足りないくらいの価格設定になっています。
特に株式投資などの場合には1銘柄50万円以上するものもありますので、50万円以上の銘柄を3銘柄購入したくても2銘柄までしか購入することができません。
また50万円の2銘柄を購入した場合、NISAの上限は120万円ですので20万円分の枠が余ることになりますが、その枠がまるまるあまってしまうというデメリットが発生します。
さらに120万円を超えるような銘柄などはNISAでは購入できませんので、購入可能な投資商品の種類は豊富であっても価格帯である程度投資商品が限定されてしまうというデメリットがあるでしょう。
NISAはそもそも少額投資向きの制度ですので、高値をつけている株の購入などにはデメリットが発生してしまいがちです。
NISAのデメリット 2019年以降はロールオーバーができない
NISA(ここでは一般NISA)のデメリットとして次にあげられるのが、2021年現在はロールオーバーができないという点です。
今気づいたけど、通常NISAのロールオーバーって出来るのは2018年に投資した分までじゃね?2019年投資分は2023年に終了、ロールオーバーすするには2024年の非課税枠を使わなきゃだけど、通常NISAは2023年末で終了。 てことは、今年からの通常NISA非課税期間は最長5年。 繰り返す、最長5年だ!!!
— モッティー@もっとお金の話がしたい (@moneymottoo) March 5, 2019
2018年まではNISA口座のロールオーバーが可能だったため、非課税口座から非課税口座へ最長10年の運用が可能でした。
しかし2019年以降はNISA口座のロールオーバーができなくなってしまったため、NISAの条件での非課税期間は最長5年となっています。
また2023年末には現在のNISA(一般NISA)制度が終了し、新NISAに自動で切り替わることでつみたてNISAへのロールオーバーが可能になりますが、取扱商品などが異なるため現在保有している投資商品をそのままロールオーバーできないというデメリットが発生する可能性もあるでしょう。
NISAのデメリット 損益通算ができない
さらにNISAは損益通算ができないという点もデメリットとしてあげられます。
NISAでの資産運用は「収益」にばかりスポットがあたりがちですが、あくまでも投資ですのでもちろん値動きによっては投資した額よりも資産が減ってしまう、いわゆる損失がでることもあるでしょう。
NISAではない通常の資産運用口座は収益がでることにより収益分が課税対象となってしまうというデメリットがありますが、損失が出た場合には保有している投資商品同士で損益通算を行うことが可能です。
やっぱり損切り考えると損益通算してくれる特定口座は強いなあ、、結論:NISAはガチホ、特定口座は必要なら損切り
— すず🍎米国株×分子栄養学 (@suzu_yahou) February 18, 2021
よって保有している投資商品や値動きによってでた損益などによっては、通常の資産運用口座よりも損益通算のできないNISA口座の方が税負担が増えたり、もとの資産が目減りしてしまうといった可能性もあります。
NISAのデメリット こまめに制度が変化してその都度ルールや条件などの変更が起きやすい
NISAのデメリットとして、利用するNISAタイプによっては制度の最長期間まで利用できずに新たな精度が導入されてしまうというパターンもあるようです。
実際に現行のNISAやジュニアNISAは2023年末で終了となっており、その後は新たなNISA制度が導入されたりなどの措置はあるもののルールや条件などの変更が起きやすく、一定期間ごとのルールの見直しなどが必要になってきます。
NISAの非課税投資枠 あれだってどうなる事か。 今まで政権や情勢が変われば コロコロ変わる日本の制度。 年金も然り信用に値しない。
— BLACK (@MBNblog) March 19, 2019
2023年末で終了するNISA(一般NISA)から2024年は新NISAに切り替わりますが、この新NISAに関しても口座開設可能期間は2028年までといわれており、数年後には制度が変わってしまうという可能性が高いというデメリットがあるでしょう。
NISAのデメリットを分かりやすく解説まとめ
今回は、NISAのデメリットについて分かりやすく解説してきました。
NISAのデメリットとして、年間の上限額が少額であることや損益通算ができないことなどは良くあげられるデメリットですが、精度が数年単位でマイナーチェンジしてしまうため複雑な制度に見えてしまうというのもデメリットとしてあげられます。
しかし1つ1つのNISA制度をしっかり確認していくことで、正確に把握できるようにはなっていますので、口座開設前にしっかりとNISAの特徴を学んでおくのがよいでしょう。