NISAで資産運用をしているという人の中には、そろそろ5年の非課税期間が終了するという人もいるのではないでしょうか。
2014年からスタートした投資制度の1つであるNISAは、得た収益が非課税期間内であれば税金を徴収されずに受け取れるというメリットがありますが、NISA期間が終了した場合どうすればよいのかわからないという人もいますよね。
NISAの非課税期間が終了してしまった場合には、保有している株価や投資信託を売却する、または課税口座に移すという選択以外にもロールオーバーを行うという方法もあります。
そこで今回は、NISAのロールオーバーを分かりやすく解説していきます。
NISAのロールオーバーを分かりやすく解説
NISAのロールオーバーとは
NISAのロールオーバーとは、現在利用しているNISA口座の非課税期間が終了した後に、資産を新たなNISA口座に移管(ロールオーバー)することで非課税期間を伸ばせる手段のことです。
もともとNISAには以下のような3つのタイプがあり、非課税期間がそれぞれことなります。
- NISA(一般NISA)...非課税期間最長5年
- つみたてNISA...非課税期間最長20年
- ジュニアNISA...非課税期間最長5年(期間内に20歳になると自動的にNISA口座に移管する)
それぞれのNISA口座を開設しても、非課税期間を満たすと収益が非課税となる期間が終了するのです。
非課税期間が終了する場合、事前にNISA口座を開設している金融機関などから非課税期間終了のお知らせが届くことになります。
そして口座を開設している金融機関のルールに従って、期日内に以下の3つから現在のNISA口座に入っている資産をどうするのか選択することになるでしょう。
- NISA口座で保有している資産を売却する
- NISA口座で保有している資産を課税口座に移して運用を続ける
- NISA口座で保有している資産をロールオーバーする
まず1つめのNISA口座で保有している資産を売却する場合、NISAの非課税期間内であれば得た掛け金と得た収益を非課税で受け取ることになるでしょう。
資産を売却すれば、それ以上収益があがることも損失がでることもありませんので、ここで一旦投資での資産運用は終了となります。
2つめのNISA口座で保有している資産を課税口座に移して運用を続けるという方法ですが、一般的な証券口座などで運用していくという意味です。
今後一般口座で運用した資産の収益を売却すれば、課税対象となり20.315%の税率で税金が徴収されることになります。
3つめがNISA口座から別のNISA口座への移管(ロールオーバー)するという方法です。
NISA口座から別のNISA口座への移管ですので、非課税期間を延長して資産運用を行うことができるようになります。
SBI証券で2014年受付NISAの2019年分へのロールオーバー受付はじまってるじゃん。現在価格が額面が120万円超えててもNISA預かりで処理できるのね。
— すきお (@sukioara) September 30, 2018
NISA口座での資産運用を行って収益が出ており、さらに今後も収益が伸びていくという見込みが高い場合、ロールオーバーは有効的な資産運用方法になるといえるでしょう。
ちなみにつみたてNISAにはロールオーバー制度はありません。
NISA(一般NISA)のロールオーバーは2019年以降に口座開設した人には適用されない!今後のロールオーバーの考え方
これまでNISA(一般NISA)は非課税期間である5年が終了しても、他のNISA(一般NISA)口座へのロールオーバーを行うことで、「5年+5年=10年」の最長10年の非課税期間が適用されるというメリットがありました。
しかしNISA(一般NISA)からNISA(一般NISA)へのロールオーバーが行えるのは2018年度にNISA口座を開設した人のみで、2019年以降にNISA口座を開設した人の場合、ロールオーバーはできなくなっています。
NISAって2023年に終わる予定やんか。2019年から始めたわいはロールオーバーが実質不可能なわけで。
NISAで購入した株式なら何年経っても売買益非課税やんか。 結局どうするべきなんやろ。 2023年に売るべきなのか、持ち続けるべきなのか。 その時の状況次第っちゃそうなんやけどな。 — よぴ|行政書士試験合格【現在→⛅】 (@yopikun_1021) December 23, 2019
NISA(一般NISA)からNISA(一般NISA)へのロールオーバーが2019年以降の口座開設者に適用されなくなった大きな理由が、2023年末でのNISA(一般NISA)制度の終了です。
2023年末で現行のNISA(一般NISA)制度は終了し、2024年から新たに新NISAという制度が始まります。
現在のNISA(一般NISA)と新NISAは運用の条件が若干異なるものの、非課税期間や年間の投資可能額などはほぼ同じになるため2019年以降にNISA(一般NISA)口座を開設した人の資金は2024年から自動で新NISA口座に引き継がれることになるでしょう。
たとえば今年の2021年からNISA(一般NISA)を始めた人であれば、非課税期間3年目となる2023年末でNISA(一般NISA)は終了しますが、2024年から自動的に新NISA口座に資産が移管されて非課税期間5年のうちの残り2年間は新NISAで資産運用を行うことが可能です。
そして新NISAの非課税期間が終了した場合には、新NISAはつみたてNISAへのロールオーバーができるという新ルールが適用されます。
つみたてNISAの年間投資可能枠は40万円となっていますので、年間の投資額は縮小しますが、つみたてNISAへのロールオーバーを行うことで、最長で+20年間は非課税期間を利用することができるようになるでしょう。
600万円の買い付けに15年かかるつみたてNISAより、5年で610万円買い付けできて、ロールオーバー活用でつみたてNISA並みに非課税期間確保できる一般NISA、新NISAが優秀
— たくみ (@m06_ch) December 13, 2019
2023年に終了するNISA(一般NISA)で少額投資を始めても、新NISAからつみたてNISAへのロールオーバーで非課税期間を長期化させることができます。
NISAのロールオーバーを分かりやすく解説まとめ
今回は、NISAのロールオーバーを分かりやすく解説してきました。
NISAのロールオーバーとは、NISA口座から同じ非課税枠口座への資産の移管(ロールオーバー)のことを指します。
ただしNISA(一般NISA)制度の終了などに伴い、NISAのロールオーバー制度も複雑化していますので正しく理解してお得に資産運用をしていきましょう。