子供の教育費や夫婦の老後の資金、親の介護資金など将来の家計財政事情に不安を感じているという人も多いでしょう。
そんな人の中には、NISAに興味を持っている人やNISAを始めてみたいという人もいるかもしれませんね。
しかしNISAについて調べていくうちにNISAや積立NISAなど、似たようなワードが出てきて良くわからなくなってしまったという人もいるでしょう。
実はNISAと積立NISAは別々の制度であり、それぞれのルールが異なるのです。
そこで今回は、NISAと積立NISAの比較を初心者にも分かりやすく解説していきます。
NISAと積立NISAの比較を分かりやすく解説
そもそもNISAとは国が導入した投資制度の1つです。 NISAの正式名称は「少額投資非課税制度」というものであり、NISAを通して投資を行い得た収益に関しては非課税となるという制度のことを指します。
「投資という資産運用方法で資産が増やせる」+「節税効果がある」というメリットでNISAはこれまで投資をしたことがない人でも、興味を持つ人が多い制度です。
しかしいざNISAを始めてみようとNISAについて調べていると、「NISA」「積立NISA」という言葉が登場し、「NISA」のことが良くわからなくなってしまったという人も多くなっています。
NISAには積立NISAやジュニアNISAなど実は3タイプがある!
NISA・積立NISAなど実はNISAと呼ばれる制度には、以下の3つのタイプが存在します。
- NISA(一般NISA)...20歳以上の日本国居住者が利用可能
- 積立NISA...20歳以上の日本国居住者が利用可能
- ジュニアNISA...0歳〜19歳以上の日本国居住者が利用可能
3タイプのNISAの中で、20歳以上の成人が利用できるNISAタイプが「NISA(一般NISA)」と「積立NISA」です。
そしてNISA口座は1人1口座しか開設できないというルールがあるため、20歳以上の人がNISAを利用したい場合には、まず「NISA(一般NISA)」と「積立NISA」のどちらを利用するのかを選択する必要があります。
「NISA(一般NISA)」と「積立NISA」のどちらを利用するのかによって開設する専用口座が異なってくるためです。
「NISA(一般NISA)」と「積立NISA」には、非課税期間や投資可能額など細かなルールの違いがありますので、自分の投資方法としてどちらがあっているのか、口座開設のために比較していく必要があります。
NISAと積立NISAを比較!それぞれ向いている人の特徴も!
それでは実際にNISAと積立NISAにはどんな違いがあるのかを各項目ごとに比較していきましょう。
NISAと積立NISAの比較 投資のタイミング
- NISA...不定期・積立どちらも可
- 積立NISA...積立のみ
NISAと積立NISAを比較した時に、まず違ってくるのが投資を行うタイミングです。
一般的なNISAの場合は、投資のタイミングに制限がなく自分の好きなタイミングで投資を行うことができるようになっています。
そのためNISAでは、思い立ったタイミングでも毎月コツコツと積み立てる方法でも投資が可能です。
一方の積立NISAでは、積立方法のみが採用されていますので毎月の決まった日に投資する必要があります。
(基本的には口座引き落としなどで自動的に設定した投資額分が引き落とされることになるでしょう。)
NISAと積立NISAの比較 年間の非課税投資枠
- NISA...最高120万円
- 積立NISA...最高40万円
NISAと積立NISAでは年間の非課税投資枠も異なります。
一般NISAの方は非課税投資枠が年間で120万円までとなっていますので、月平均10万円分を投資することが可能です。
一方の積立NISAは非課税投資枠が年間で40万円となっていますので、月平均3万3千円程度の投資が可能ということになります。
NISAと積立NISAの比較 非課税期間
- NISA...最長5年
- 積立NISA...最長20年
NISAと積立NISAを比較すると、非課税期間もそれぞれ異なるようです。
一般NISAの場合は5年ですが、積立NISAの場合には最長20年となっています。
年間の投資可能額と掛け合わせると、NISAでは「120万円×5年=600万円」で最大600万円分の資産運用が可能であり、積立NISAでは「40万円×20年=800万円」で最大800万円分の資産運用が可能です。
ただしそれぞれのNISA制度の終了年度なども考慮していく必要があるでしょう。
NISAと積立NISAの比較 延長期間
- NISA...ロールオーバーできない
- 積立NISA...ロールオーバーできない
NISAと積立NISAでは、利用可能な年数が異なってきますがロールオーバーでの延長が可能かどうかなどの条件も異なります。
ロールオーバーとは、非課税期間が終わったあとに翌年の投資枠に切り替えて非課税期間を延長する制度のことです。
一般NISAの場合には2019年まではロールオーバーができましたので、非課税期間である5年が終わったあとでも翌年の投資枠に切り替えることで、さらに5年非課税期間が延長できることになり、最長10年非課税期間として資産運用を行うことができました。
しかし2021年現在では2019年まででロールオーバーが打ち切りとなっているため、一般NISAもロールオーバーはできません。
一方で積立NISAの場合には初期からロールオーバーができませんので、非課税期間の20年が終了すれば課税口座に払い込みがされることになるでしょう。
NISAと積立NISAの比較 投資可能商品
- NISA...国内外の上場株式・株式投資信託、ETF、Jリートなど
- 積立NISA...国の条件を満たした株式投資信託・ETFのみ
NISAと積立NISAでは投資可能商品もそれぞれ異なります。
積立NISAの場合は、国の条件を満たした株式投資信託とETFのみと極めて限定的な投資先となるでしょう。
一方の一般NISAの場合には、株式投資信託とETF以外にも国内外の上場株式などの投資先も利用できます。
NISA・積立NISAに向いている人の特徴
- NISAに向いている人の特徴...投資経験がある人やこれから投資の勉強をしっかりしていきたい人、5〜10年程度の短期〜中期(2019年以降は5年)で収益を確定させたい人、投資額が年間40万円以上になる人
- 積立NISAに向いている人の特徴...投資経験のない人や知識があまりない人、ローリスクで資産運用を行っていきたい人、5年以上20年以内の中期〜長期で収益をあげたい人、投資額が月額3万3千円以内の人
NISAと積立NISAの比較を分かりやすく解説まとめ
今回は、NISAと積立NISAの比較を初心者にも分かりやすく解説してきました。
NISAとは3つのタイプがあるNISA制度の総称として使われる言葉でもありますが、一般NISAのことも指しており積立NISAとはルールや条件などが異なってきます。
NISAと積立NISAのそれぞれの特徴をしっかり確認し、自分がどちらのタイプの投資方法が向いているのかを確認した上で専用口座の開設手続きを行っていきましょう。