ルネサスエレクトロニクスは世界首位級の半導体メーカー大手。
そんなルネサスエレクトロニクスへ投資してみたいという人も多いのではないでしょうか。
しかし、株価分析の結果は投資に値すると言えるものなのでしょうか。
また、配当金や株主優待、直近の売上状況などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回はルネサスエレクトロニクスの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価分析
ルネサスエレクトロニクスの事業内容
ルネサスエレクトロニクスは世界でも大手の半導体メーカーです。
半導体はパソコンからスマホ、家電などあらゆる電気機器に用いられていますが、ルネサスエレクトロニクスの半導体は主に自動車と産業・インフラ向けに使われます。
自動車事業はエンジンや車体などの制御機器向けが中心。
産業・インフラは工場の生産設備や通信設備の基地局など幅広い対象を顧客としています。
そして、それぞれの事業セグメントはルネサスエレクトロニクスの売上の約半数ずつを占めます。
ただ、産業・インフラ事業に関しては対象となる市場もまちまち。
株価分析の際にはそれ単一で分析しやすい自動車業界の動向を中心に見ていくと良いでしょう。
ちなみに、ルネサスエレクトロニクスの前身はNECと日立製作所、そして三菱電機のそれぞれの半導体事業部。
これらが様々な経緯を経て分社化、経営統合をした結果として今のルネサスエレクトロニクスがあります。
つまり、日本有数の電気機器メーカーの半導体部門が結集したかたちです。
技術力で他社に劣るということはまずないでしょう。
ルネサスエレクトロニクスの売上の状況
ルネサスエレクトロニクスの2019年12月期の連結売上高は7,182億円。
そこから経費などを引いた経常利益は3億円、さらに税金を引いた純利益で言うと59億円の赤字です。
全体的に本業が不調であったことに加えて、事業構造改革や大型買収案件の会計費用などがかさんだ結果です。
ただ、ルネサスエレクトロニクスの直近の四半期決算を見るかぎり、本業の売上状況は決して悪くありません。
自動車事業の売上は新型コロナウィルスの影響で厳しいものの、産業・インフラ事業の売上収益は増加。
買収した企業の売上が計上されるようになったことも大きなインパクトです。
その他の状況を見てもルネサスエレクトロニクスの今後の売上には期待して良さそうです。
ルネサスエレクトロニクスの資産状況
2020年6月期におけるルネサスエレクトロニクスの総資産は1兆6,345億円。
自己資本比率は38.3%です。
自己資本比率は総資産のうち株主資本等が占める割合。
高いほど財務的に安定しているとみなされます。
ルネサスエレクトロニクスの自己資本比率38.3%はやや低めです。
ただ、株価分析の際にそこまで不安視するほどでもありません。
また、ルネサスエレクトロニクスは東日本大震災により一時経営危機に陥ったことがあります。
しかし、そこから公的機関はもとよりトヨタや日産などの主要取引先の出資を受けてここまで再建してきたという経緯があります。
そういった危機対の実績を考えると、企業として立ち行かなくなるという心配はそれほどないでしょう。
ルネサスエレクトロニクスの株価分析
ルネサスエレクトロニクスの株価は新型コロナウィルスの影響により一時急落。
しかし、その後順調に回復し、結果として現在は年初来高値の水準にあります。
これはやはり決算により底堅い経営状況が見えてきたことが大きな理由と思われます。
ルネサスエレクトロニクスの株価は2017年末の公的機関による株式売却発表を受けて下落傾向にありました。
ただ、今回の大型買収案件の結果、経営が軌道に乗ってきたとの見方も増えるはずです。
今後いっそうの値上がりを期待しても良いのではないでしょうか。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の配当金
ルネサスエレクトロニクスに配当金はありません。
ルネサスエレクトロニクスが公的機関等の出資を受けて経営再建中であったことは先に触れたとおりです。
先に公的機関は引き上げましたが、いまだルネサスエレクトロニクスが厳しい競争の渦中にあることは変わりません。
そのため、2020年の配当金については見送りとしています。
ただ、あわせてルネサスエレクトロニクスは決算資料において「配当の再開を目指す」とも公言しています。
今期については配当金がないのは残念ですが、遅からず再開する可能性も低くないでしょう。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の株主優待
ルネサスエレクトロニクスに株主優待はありません。
現在の経営状況を考えれば仕方のないことでしょう。
ただ、半導体というルネサスエレクトロニクスの事業内容を考えると、経営が安定したとしても株主優待については期待できないかもしれません。
ぜひとも株主優待を貰ってみたいという人は他の銘柄を探すことをおすすめします。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価分析を競合他社と比較
ルネサスエレクトロニクスの競合他社としてここではサンケン電気とロームの株価分析と比較してみましょう。
まずはサンケン電気の株価です。 サンケン電気もまた大手半導体メーカーのひとつ。
ただ、ルネサスエレクトロニクスとは違い家電にも注力しています。
株価についてはルネサスエレクトロニクス以上の上がり方をしています。
これは当初厳しい経営状況と見られていたにもかかわらず、決算で業績の上方修正があったことが理由と思われます。
ただ、少しばかり過剰な上がり方に見えます。
このタイミングで投資するのはややリスクが高いかもしれません。
次にロームの株価を見てみましょう。
ロームもまた車載用半導体も手掛けるメーカー。
株価はほぼルネサスエレクトロニクスと同じような動きをしています。
やはりロームも直近の決算で業績の上方修正がありました。
総じて、自動車業界、半導体業界は回復傾向にあることが分かります。
また、自動車業界は電子化が急速に進んでいることも追い風です。
ルネサスエレクトロニクスにかぎらず、半導体関連銘柄にとって今は悪くない買いのタイミングと言えそうです。
ルネサスエレクトロニクス(6723)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
ルネサスエレクトロニクスの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
売上は一時的に赤字になったものの明らかな回復傾向。
それを反映して株価も反発しています。
ただ、ルネサスエレクトロニクスは配当金も株主優待もありません。
配当金については経営の安定後に再開するとしていますが、明確にいつとは決まっていません。
ルネサスエレクトロニクスへ投資するつもりの人は当面、副次的なリターンについては期待しないほうが良いでしょう。