資生堂と言えばCMを見ない日はないほど有名なビューティー関連企業。
そんな資生堂へ投資してみたいとお考えになる人も多いことでしょう。
しかし、資生堂の株価分析の結果は投資に適していると言えるのでしょうか。
また、売上の状況や配当金、株主優待はどのようになっているのでしょうか。
そこで今回は資生堂の株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
資生堂(4911)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
資生堂(4911)の株価分析
資生堂の事業内容
資生堂の主な事業内容はもちろん化粧品。
しかし実は資生堂はそのほかレストラン事業、教育・保育事業なども手掛けています。
レストラン事業としては資生堂パーラーをはじめとした高級レストランを銀座中心に営業。
教育事業としては資生堂美容技術専門学校での美容師養成などをおこなっています。
とはいえ、やはり主力の事業は化粧品。
株価分析の際にも化粧品事業を中心に見ていけば問題ありません。
ただ、その際には国内だけではなく世界での事業展開に目を向ける必要があります。
資生堂はすでに約120カ国に展開するグローバル企業のひとつです。
実際、資生堂の売上高に占める日本市場の構成比は40%程度にすぎません。
そのほか、中国が約20%、アメリカ、ヨーロッパがそれぞれ約10%を占めます。
株価分析の際にはこれらの国の経済動向をバランス良く見通すようにしましょう。
ちなみに、資生堂の社名の由来は中国の古典である「易経」の一節です。
資生堂の事業内容とはあまり関係がないのでここでは詳しい解説はしませんが、興味のある人はぜひとも調べてみてください。
資生堂の売上の状況
資生堂の2019年12月期の連結売上高は1兆1315億円。
経費などを引いた経常利益は1087億円です。
2020年12月期の予想売上高は前期比15.8%減の9530億円。
言うまでもなく新型コロナウィルス拡大の影響によるものです。
一応、資生堂はコスト削減などで対応し、最終的な営業利益は前期比同等を予測しています。
ただ、資生堂は海外売上比率の高いため売上高には為替レートが強く影響します。
そして、資生堂は決算資料において業績予測の過程を1ドル=109円としています。
これは少し楽観的すぎる印象です。
現在の円高傾向がつづけば業績の下方修正、株価下落も十分にありえるでしょう。
資生堂の資産状況
資生堂の2020年6月期における総資産は1兆1719億円。
自己資本比率は39.3%です。
自己資本比率は総資産のうち株主資本と資本金の占める割合。
高いほど財務的に健全であることを意味します。
資生堂の自己資本比率39.3%は化粧品業界としては十分に高い水準です。
株価分析の際に財務的な不安定さを考慮する必要はないでしょう。
資生堂の株価分析
資生堂の株価は軟調。
新型コロナウィルス流行による急落後ほどなくして以前の水準まで回復しているものの、その後が冴えません。
もっとも、新型コロナウィルスの影響が永続するとも思えません。
収束すれば再び資生堂の株価も値を戻すと予想できます。
ただ、中長期で見るとまた違った株価分析も可能です。
たとえば、この5年で見ると資生堂の株価は3,000円程度から9,000円まで約3倍にまで上昇しています。
そのなかでも6,000円はひとつの下値抵抗ラインと考えられます。
そのあたりで揉み合っている今のうちに投資しておくというのも悪い手ではないでしょう。
資生堂(4911)の配当金
資生堂の予想配当金は40円。
投資額に対するリターンの割合である配当金利回りは0.62%です。
配当金の利回りとしては今ひとつです。
資生堂の株の売買単位は100株から。 仮に株価6,000円のときに購入しても60万円の投資が必要になります。
それに対して100株×40円=4,000円の配当金と考えると少しばかり寂しい金額です。
そもそも、資生堂は株主還元に関する基本方針で「持続的な成長戦略を最優先」し、中長期的に配当金の増加と株価上昇につなげることを方針とすると明言しています。
実際、配当金がなくとも株価の上昇は投資家の利益につながると考えればこの方針もいたしかなたいのかもしれません。
いずれにせよ、いましばらくは配当金に関しては資生堂には期待しないでおきましょう。
資生堂(4911)の株主優待
資生堂の株主優待はオリジナルカタログに記載されている自社製品の贈呈。
100株以上と1,000株以上保有でカタログの内容が異なってきます。
また、資生堂の株主優待は「1年以上保有」が条件です。
株主優待の権利確定日直前になって慌てて購入しても貰えないので注意しましょう。
カタログの内容が日常使いの化粧品中心ということを考えると、資生堂の株は中長期保有を前提として考えたほうが良いかもしれません。
資生堂(4911)の株価分析を競合他社と比較
資生堂の競合他社としてここでは花王、ファンケル、ライオンの株価分析と比較してみましょう。 まずは花王です。
花王の株価は7,000円~9,000円のレンジで上下していることが特徴です。
資生堂のような安定した成長は見られません。
ただ、現状割安なラインにあることは間違いありません。
反転を期待して投資しておくのも悪くないでしょう。
もっとも、花王の株価は8,000円程度とやや値がさ株です。
それほどの資金力があるのであれば資生堂へ投資したほうが良いかもしれません。
次にファンケルの株価を見てみましょう。
ファンケルの株価は比較的、資生堂と似た曲線を描いています。
ただ一方で株価は3,500円前後と手頃です。
配当金利回りも1%弱と資生堂よりやや有利。
株主優待として3,000円相当の自社製品が貰えるところも魅力です。
資生堂にはあと一歩手が届かないという人は代わりに投資して見る価値はあるでしょう。
最後にライオンの株価です。
ライオンの株価は新型コロナウィルス拡大後に急騰。
その後、崖から落ちるように急落しています。
比較的手堅い動きをしている資生堂とは実に対照的です。
これはライオンの業績が市場の期待を下回ったことが理由のひとつです。
急落したというよりは、本来あるべき株価に戻ったと考えたほうが自然でしょう。
こういった投機的な動きがあることから、資生堂の代わりに投資するには微妙な銘柄です。
資生堂(4911)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
資生堂の株価分析と配当金、株主優待を解説してきました。
株価は新型コロナウィルスによる売上減少を受けて急落。
ほどなくして以前の水準にまで戻していますが、まだ勢いはありません。
ただ、中長期で見ると明らかに割安であることは間違いありません。
今のうちに投資しておく価値は十分にあるでしょう。
一方で、資生堂は株主優待はあるものの配当金が今ひとつです。
配当金や株主優待といった副次的なリターンについては多くは望まないほうが良いでしょう。