新築そっくりさんで有名な住友不動産。
実際に住友不動産へ依頼して自宅をリフォームした人も多いのではないでしょうか。
そんな住友不動産へ投資してみたいという人も少なくないでしょう。
しかし、そもそも住友不動産の株価分析は投資に値するものと言えるのでしょうか。
また、売上の状況や配当金、株主優待はどのようになっているのでしょうか。
そこで今回は住友不動産の株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
住友不動産(8830)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
住友不動産(8830)の株価分析
住友不動産の事業内容
住友不動産は総合不動産大手のひとつ。 主な事業は「オフィスビル」「分譲マンション」「注文住宅」「リフォーム」「その他不動産関連」の5つ。
東京都心部のオフィスビル賃貸を中心としつつバランス良く事業を手掛けています。
なかでもリフォーム事業は「新築そっくりさん」のブランドで住友不動産の独自の強みとなっています。
しかし、やはり住友不動産の中核事業は不動産の賃貸と販売。
リフォームも売上高としては貢献していますが営業利益としてみるとそこまでではありません。
営業利益に関しては不動産の賃貸と販売の2つの事業だけで8割以上を占めます。
住友不動産の株価分析の際にはこれら2つの事業の業績を中心として見ていきましょう。
具体的には賃貸事業は空室率、販売事業は契約戸数を見ていくと良いでしょう。
なお、空室率は公的機関による統計情報はほとんどありませんが民間企業が公表している情報を利用可能です。
個別企業の株価分析をする際にはそういった情報も活用していくと精度が上がるのでおすすめです。
住友不動産の売上の状況
住友不動産の2020年3月期決算の連結売上高は1兆135億円。
そこから各種経費などを引いた経常利益は2,205億円です。
また、2021年3月期の売上高は前期比13.2%減の8,800億円の見込みです。
前期に竣工したオフィスビルの稼働が好調であるものの、新型コロナウィルスの影響によりその他の事業の売上が大きく落ち込んだことが響いています。
ただ、住友不動産はこの機会に利益率の改善に取り組んでいます。
新型コロナウィルスの収束後には従来以上の業績を期待できるでしょう。
住友不動産の資産状況
2020年6月期における住友不動産の総資産は5兆3,661億円。
そのうち資本金と株主資本等が占める割合である自己資本比率は25.8%です。
自己資本比率は企業の財務的な健全性をはかる一般的な指標。
住友不動産の自己資本比率25.8%は競合他社と比較するとやや低めです。
とはいえ、住友不動産は旧財閥の名を冠する大手企業です。
それほど自己資本比率の低さを気にする必要はないでしょう。
そもそも総合不動産はデベロッパーとも呼ばれ、大規模な都市開発事業も手掛けます。
そのタイミングでは借入金なども多くなり自己資本比率も低くなりがちです。
そういった意味では自己資本比率の低さは積極的な投資をしていると評価することもできるのです。
住友不動産の株価分析
住友不動産の株価は新型コロナウィルスの流行をきっかけに急落。
その後に反発したものの以前の水準までの道のりはほど遠い状況です。
とはいえ、住友不動産の足元の業績は決して悪くありません。
新型コロナウィルス収束の見通しが立てば急速に回復する可能性も低くないでしょう。
5年とやや時間軸を広げて見ても現在の住友不動産の株価は安すぎる印象です。
先々を見越して今のうちに投資しておくのも良いのではないでしょうか。
住友不動産(8830)の配当金
住友不動産の予想配当金は38円。
投資額に対するリターンの割合である配当金利回りは1.34%です。
この配当金利回りは平均的かあるいはやや低めの数字です。
なお、住友不動産の決算資料や株主向け報告書に株主還元方針に関する数値目標などの記載はありません。
しかし、このコロナ禍においても配当金の減額などは実施していません。
利回りこそ高くはありませんが今後も安定した配当金を期待しても問題ないでしょう。
住友不動産(8830)の株主優待
住友不動産に株主優待はありません。
不動産という事業内容を考えると株主優待がないのも仕方のないことでしょう。
ただ、不動産を手掛ける企業の中でも株主優待を実施している企業もなくはありません。
たとえば大和ハウス工業などは系列の商業施設で利用できるチケットが貰えます。
具体的にはホテルやゴルフ場、ホームセンター、スポーツジムなどです。
このように、ひとくちに不動産といっても商業施設も手掛ける企業には株主優待があることも珍しくありません。
どうしても株主優待を貰ってみたいという人は住友不動産にこだわらず他の企業も調べてみることをおすすめします。
住友不動産(8830)の株価分析を競合他社と比較
住友不動産の競合他社としてここでは東急不動産ホールディングスと三井不動産、そして三菱地所の株価分析と比較してみましょう。
まずは東急不動産ホールディングスの株価です。
東急不動産ホールディングスの株価はほぼ住友不動産と同じような動きをしています。
一方で株価は数百円とかなり手頃な価格です。
また、東急不動産ホールディングスは系列企業で利用できる優待券やカタログギフトといった株主優待があります。
住友不動産へは資金力の関係で投資しづらいという人は代わりに投資してみる価値はあるでしょう。 次に三井不動産の株価です。
三井不動産の株価の動きも住友不動産とほぼ同様です。
ただ、現在の三井不動産の株価は中期的に見るとあまりにも安すぎます。
すぐにとはいかないでしょうが、長い目で見て株価回復を見込んで投資しておくのも悪くないでしょう。
最後に三菱地所の株価を見てみましょう。
やはり三菱地所も同様です。
住友不動産にかぎらず、のきなみ不動産銘柄の株価は似たような動きをしています。
企業や個人にとって不動産は固定費にあたります。
それゆえ景況感も一般的な業種に遅れて表れてくるものです。
おそらく、現状は市場参加者の多くがその影響を見定めているため株価も大きく動きづらいのでしょう。
ただ一方で、すでに業績回復は株価に織り込まれているとする向きも少なくありません。
しかし、それにしては住友不動産をはじめとした不動産関連銘柄の株価はいまだ安すぎる印象です。
投資に絶対はありませんが、良い買いのタイミングと言えるのではないでしょうか。
住友不動産(8830)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
住友不動産の株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
住友不動産の売上は新型コロナウィルスの影響下にありながら比較的好調。
しかし実態に反して株価は落ち込んだままです。
中期的に見れば明らかに割安である現在は良い買いのタイミングと言えそうです。
ただ、住友不動産は配当金もそれなりで株主優待もありません。
副次的なリターンについてはあまり期待しないほうが良いでしょう。