TDKは電子機器メーカーの大手。
ある程度の年齢の方にはカセットテープでお馴染みかと思います。
そんなTDKへ投資してみたいという人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、TDKの株価分析は投資に値する結果と言えるのでしょうか。
また、売上の状況や配当金、株主優待などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回はTDKの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
TDK(6762)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
TDK(6762)の株価分析
TDKの事業内容
TDKは電子部品の大手。 事業セグメントとしては「受動部品」「センサ応用製品」「磁気応用製品」「エナジー応用製品」に分かれています。
といってもなかなかイメージしづらいのではないでしょうか。
受動部品は電気を貯めたりノイズを減らしたりする部品。
スマートフォンや自動車、パソコンなどに使われます。
センサ応用製品はそのまま各種センサーを応用した製品です。
たとえば、スマホの傾きセンサーなどの多くはTDKのセンサ応用部品が使われています。
磁気応用製品の代表的なものはパソコンのハードディスクの読み取り用ヘッド。
エナジー応用製品は各種バッテリーなどをイメージすれば大きな誤りはありません。
このように、TDKの事業内容は対自動車やスマホが大きな割合を占めます。 株価分析の際にはスマホ、自動車関連市場の動向に注意しておきましょう。
なかでもTDKの売上の主力はエナジー応用製品です。
他のセグメントも無視はできませんが、とくにバッテリーなどの市場に注意しておくと良いでしょう。
ちなみに、TDKの社名の由来は「Tokyo Denki Kagaku」です。
なにもひねりはなく、創業当初の社名である東京電気化学工業がもとになっています。
TDKの売上の状況
TDKの2020年3月期決算の連結売上高は1兆3,630億円。
そこから各種経費などを引いた経常利益は959億円です。
また、2021年3月期の売上は前期比5.4%減の1兆2,900億円と予測。
やはり新型コロナウィルスの影響は小さくなく自動車関連の需要減が響いています。
ただ、バッテリー関連の需要は底堅くTDKの売上減少に歯止めをかけています。
結果としてTDKの業績は市場参加者の予想を上回る水準を確保。
新型コロナウィルス禍において、むしろ底力の強さを証明するかたちとなりました。
TDKの資産状況
2020年6月期決算のTDKの総資産は1兆9,847億円。
そのうち資本金と株主資本等の割合である自己資本比率は42.4%です。
自己資本比率は高いほど財務的な部分で安定しているとみなされる指標。
TDKの自己資本比率42.4%は十分に健全と言える数字です。
株価分析のうえで財務的な部分を心配する必要はないでしょう。
TDKの株価分析
TDKの株価は新型コロナウィルス拡大時に急落。
しかし、その後に以前の水準まで戻しています。
ただ、この後にそのまま株価が上昇を続けるかは見通しが難しい部分です。
5年、10年という中長期で見るとTDKの株価は12,000円と8,000円のレンジできれいな波形を描いています。
12,000円を突破できるかどうかが今後の株価を予測するうえでひとつの重要な試金石となるでしょう。
TDK(6762)の配当金
TDKの予想配当金は160円。
投資額に対するリターンの割合である配当金利回りは1.3%です。
これは配当金の利回りとしてはやや低めな数字です。
ただ、TDKは新型コロナウィルスの影響をかんがみて今期の配当金を減額としています。
中長期で考えればもう少し高い配当金を期待しても良いでしょう。
実際、前期のTDKの配当金は180円。
2013年の70円から増額を続けていました。
新型コロナウィルスが収束して売上の状況も戻ればさらなる配当金増額も十分に期待できるでしょう。
TDK(6762)の株主優待
TDKに株主優待はありません。
TDKの事業内容を考えるとこれも仕方のないことでしょう。
そもそもTDKは株主還元について「配当金による利益還元を基本方針とする」と明言しています。
今後も株主優待については期待できないと考えておきましょう。
なお、はじめての株式投資で株主優待を貰ってみたいという人には小売関連の銘柄がおすすめです。
特に家電量販店や百貨店、スーパーなどの株主優待は手厚いものが大半です。
単なる割引だけではなく株主だけが利用できる特典などがあったりもします。
さらに株主優待は不要であれば金券ショップへの売却も可能です。
株主優待メインで考えている人はTDK以外の銘柄にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
TDK(6762)の株価分析を競合他社と比較
TDKの競合他社としてここでは村田製作所とアルプスアルパイン、そして太陽誘電の株価分析と比較してみましょう。
まずは村田製作所の株価です。
村田製作所もやはりTDKと同じくスマートフォンの部品などの電子デバイスを制作するメーカーです。
やはり事業内容が似ているだけあって株価の動きもほぼ同じです。
ただ、TDKに比較すれば株価は7,000円台と初期投資額が低めで済むというメリットがあります。
資金力の部分で不安がある人はTDK代わりに投資する価値はあるでしょう。 次にアルプスアルパインの株価です。
アルプスアルパインの株価はTDKとは対照的。
明らかな下降トレンドです。
これはアルプスアルパインの主力が車載情報機器だからです。
自動車市場の不振のあおりをもろに受けたと言えるでしょう。
最後に太陽誘電の株価を見てみましょう。
太陽誘電はセラミックコンデンサー大手。
製品はTDKとは異なりますが同じくスマートフォンや車載情報機器に必須の部品です。
そのため株価の動きもTDKとよく似ています。
株価もTDKの半値以下と手頃な価格です。
やはり資金力の部分で投資をためらう人に適した銘柄と言えるでしょう。
ここまで4社を比較してみると、自動車だけではなくスマホの部品も製造しているかどうかで明暗が別れていることが分かります。
同じ電子機器メーカーでも対象製品がどの分野で使われているかでこれだけの差がでるのです。
株価分析の際には単なる売上高だけではなく影響を受ける市場動向についても慎重に見ていくようにしましょう。
TDK(6762)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
TDKの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
売上はやはり新型コロナウィルスの影響で微減。
自動車関連が特に痛手です。
しかし、スマートフォン向けの部品が好調であることから株価下落は限定的。
むしろ最高値の水準にまで戻しています。
ただ、TDKは株主優待もなく配当金も今ひとつです。
今後の配当金増額も期待できますが、それまでにはいくらかの時間を要するでしょう。
TDKに投資するときはある程度中長期保有を前提とすることをおすすめします。