東京エレクトロンは半導体関連の大手企業。
製造業にお勤めの人はどこかで名前を目にしたことがあるかもしれません。
そこで東京エレクトロンへ投資してみてはどうだろうかとお考えになった人もいることでしょう。
しかし、東京エレクトロンの株価分析の結果は投資に値するものなのでしょうか。
また、配当金や株主優待はあるのでしょうか。
そこで今回は東京エレクトロンの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
東京エレクトロン(8035)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
東京エレクトロン(8035)の株価分析
東京エレクトロンの事業内容
東京エレクトロンの事業内容は「半導体製造装置事業」と「フラットパネルディスプレイ製造装置事業」。
といってもなかなかイメージしにくいところがあるのではないでしょうか。
半導体製造装置事業は、つまり半導体を製造している工場向けの機械を作っているということです。
家電製品等を作る過程で必要になる半導体を作るための機械を作っているのが東京エレクトロンです。
フラットパネルディスプレイ製造装置事業も同じです。
フラットパネルディスプレイを作っている工場向けの機器の製造事業です。
このように東京エレクトロンの事業内容は明確にBtoB(Bizziness To Bizziness)です。
そのため、一般消費者にはあまり馴染みが薄いというのが正直なところです。
なお、東京エレクトロンの売上高に占める半導体製造装置事業の割合は約9割です。
株価分析においてはフラットパネルディスプレイ製造装置事業の業績はあまり重視する必要はないでしょう。
東京エレクトロンの売上の状況
東京エレクトロンの2020年3月期決算の売上高は1兆1,273億円。
経費などをのぞいた経常利益は2,450億円です。
前期比で微減ですが、おおむね業績は好調です。
新型コロナウィルスの影響もあったものの、中期的にはむしろリモートワークや遠隔授業の増加による需要増の恩恵を受けています。
また、Iot、AI、5Gの普及により半導体需要も増加する見込みであることから、さらなる成長が期待されます。
ただし、新型コロナウィルスによる影響は各方面に渡るため必ずしも楽観視できません。
引き続き感染拡大の状況には中止しておく必要があります。
さらに言えば、東京エレクトロンの事業が半導体に集中していることもリスクです。
半導体市場は技術革新によって市場が大きく変動する可能性があります。
その結果として需給バランスが崩れることも十分にありえます。
東京エレクトロンへ投資するときは半導体関連の技術変化には注意しておきましょう。
東京エレクトロンの資産状況
2020年3月期決算における東京エレクトロンの総資産は1兆2,784億円。
そのうち資本金と株主資本等の占める割合である自己資本比率は64.1%です。
自己資本比率は財務健全性を図る指標。
東京エレクトロンの64.1%は十分すぎるほど健全な数値です。
また、東京エレクトロンは有利子負債もゼロ。
いわゆる無借金経営です。
株価分析において資金繰り悪化による経営不振などを心配する必要はないでしょう。
東京エレクトロンの株価分析
東京エレクトロンの株価は新型コロナウィルス拡大により一時急落したものの、その後大きく反転し過去最高値を更新しました。
現在は若干の調整局面にあると考えられますが、足元の業績を見るとふたたび値上がりする可能性は高いと言ってよさそうです。
割安感のあるいまのうちに投資しておくのも良い選択と言えるかと思います。
実際、10年の長期スパンで見ると、東京エレクトロンの株価が右肩上がりで上昇していることは明らかです。
中長期的に見ればかなりの高確率で値上がりすると見て間違いないでしょう。
長い目で見れば優良な成長銘柄のひとつといって間違いないでしょう。
東京エレクトロン(8035)の配当金
東京エレクトロンの予想配当金は660円。
株の購入にかかった金額に対するリターンの割合である配当金利回りは2.58%です。
数字としてはかなりよい配当金なのですが、いかんせん単価の高さがネックです。
東京エレクトロンの株価はおおよそ25,500円。
単元は100株なので25,500円×100株=255万円が最低投資額になります。
100株×660円=66,000円の配当金は魅力的ですが、少しばかり購入のハードルは高いと言わざるを得ません。
ちなみに、東京エレクトロンの株主の内訳を見ると個人はわずか数パーセントにすぎません。
全体的に東京エレクトロンの株主還元は法人等の機関投資家向けと言えるでしょう。
東京エレクトロン(8035)の株主優待
東京エレクトロンに株主優待はありません。
東京エレクトロンの事業内容がBtoBであることを考えるとこれも仕方のないことでしょう。
最低投資額が高いこともそうですが、やはり個人には少し投資しにくいところがあります。
株主優待を期待して投資するつもりの人は他の銘柄へ投資することをおすすめします。
東京エレクトロン(8035)の株価分析を競合他社と比較
東京エレクトロンの競合他社として東京精密と株価分析を比較してみましょう。
東京精密は東京エレクトロンと同じく半導体製造装置の製造、販売をおこなっている企業です。
値動きの傾向としては東京エレクトロンとよく似ています。
ただ、特筆すべきは単価の安さです。
東京エレクトロンの25,000円に対して東京精密の株価は3,200円前後。
30万円程度から投資が可能です。
配当金も76~86円と多くはありませんが受け取れます。
東京エレクトロンに手が届かない人にとっては投資しやすい銘柄と言ってよいでしょう。
ただし、2020年3月期決算の経常利益は123億円。
東京エレクトロンの1/10以下です。
企業規模で言えば東京エレクトロンにはとうてい叶いません。
その分、経営不振に陥るリスクも比較的高くなりますので、その点には注意しておきましょう。
ちなみに、東京エレクトロンと同じく半導体を主力事業とする企業としてディスコもまた競合と言えます。
そしてディスコの株価も長期的には右肩上がりであるため投資先としてはたいへん有望です。
ただ、ディスコの株価もまた20,000円を超えるため個人にはなかなか手を出しにくい銘柄です。
東京エレクトロン(8035)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
東京エレクトロンの株価分析と配当金・株主優待について解説してきました。
株価については業績もよく右肩上がりで成長を続けています。
株主優待こそないものの配当金は660円と高額です。
ただ、1株あたりの単価が25,000円以上であるため、個人が手を出すには最低限250万円程度の資金が必要なところがネックです。
資金力に不安がある人は東京エレクトロンにこだわらず、他の半導体関連企業への投資を検討してみるのも良いかもしれません。