トヨタ自動車と言えば、ホンダ、スバル、日産といった大手自動車メーカーのひとつ。
街に出ればトヨタ製の自動車を見かけない日はないでしょう。
そんなトヨタ自動車の株を買って見たいという人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところトヨタ自動車の株価分析はどのようになっているのでしょうか。
また、配当金はいくらなのでしょうか、そして株主優待はもらえるのでしょうか。
そこで今回はトヨタ自動車の株価分析と配当金・株主優待について分かりやすく解説していきます。
トヨタ自動車(7203)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
トヨタ自動車(7203)の株価分析
トヨタ自動車の事業内容
トヨタ自動車は日本での時価総額No.1を誇る自動車生産・販売企業。
北米やアジアへの輸出も好調で世界でも大手の自動車メーカーのひとつです。
クラウンやプリウス、レクサスなどトヨタ自動車の代名詞とも言える名車をいくつも生み出し、日本の自動車産業を牽引する役割を担っています。
また、近年は日野自動車やダイハツ工業を傘下に加え、さらにマツダやスズキ、SUBARUと資本提携するなど自動車業界全体での協力関係を構築しています。
さらにトヨタ自動車の事業内容は自動車販売にとどまらず、トヨタファイナンスやトヨタホームなど金融や不動産事業にも進出しています。
株価分析のうえでは自動車販売だけではなくこれらの事業にも一応の注意を払っておきましょう。
トヨタ自動車の売上の状況
トヨタ自動車の売上高は29兆3,300億円と規模だけを見れば小規模な国家予算にも匹敵します。
そこから諸々の営業費用を引いた経常利益で見ても2兆5千億円と極めて大きな規模を誇ります。
しかし、世界的な感染症の拡大で2020年の売上高は大幅に低下する見込みです。
もっとも、これはトヨタ自動車にかぎらず自動車業界全般で同様です。
また、トヨタ自動車に関してはすでに欧州や中国などの販売は復調傾向にあるため影響は軽微であり一時的な落ち込みと考えられます。
トヨタ自動車の資産状況
トヨタ自動車の総資産は52兆円、そのうち自己資本は20兆円であり自己資本は38%です。
自己資本とはすなわち投資家の購入した株式の総額と資本金の総額です。
それ以外の資産は借入金などの借金も含みます。
自己資本が低すぎると倒産しやすい傾向がある一方で、借入金が少ないのは投資に消極的という姿勢のあらわれでもあります。
トヨタ自動車の自己資本は業界としてはやや低めですが、これは金融事業の自己資本比率が低いことが理由です。
なお、トヨタ自動車の保有する資産は土地や工場のほかリースやディーラーへの貸付金などの金融資産も大きなウェイトを占めます。
金融資産についても感染症拡大の影響で貸倒引当金の増加により減少傾向にあるものの、長期的には復調すると考えられます。
いずれにしろ、トヨタ自動車の業績については自動車販売も含めてすでに回復が株価に織り込まれていると見たほうがよいでしょう。
株価分析ではこのように市場参加者が対象銘柄をどのように見ているのかといった視点も重要です。
トヨタ自動車の株価分析
業績の悪化が見込まれるにもかかわらずトヨタ自動車の株価分析はそれほど悪い結果ではありません。
これはトヨタ自動車の経営を不安視する人が少なく、今もなお買いの下支えが入っているからです。
つまり、今後もトヨタ自動車は成長を続けるという見方が大多数というわけです。
したがって、比較的割安になっている現在はよい買い場と言ってよいでしょう。
実際チャートを見ても2020年8月の株価がここ3年のあいだでもかなり割安な水準にあることが分かります。
唯一のリスクファクターは国際グローバル企業であるがゆえの厳しい競争環境。
トヨタ自動車といえど、なんらかの理由でリコールなどが多発すれば他社に遅れを取る可能性もあります。
また、トヨタ自動車は、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市構想「コネクテッドシティ」を立ち上げています。
このプロジェクトの推移がどう株価分析へ影響するのかも注視する必要があるでしょう。
トヨタ自動車(7203)の配当金
トヨタ自動車の配当金は220円。配当利回りは3.1%、配当性向は30%です。
利回りは株を購入するのに必要な資金の何%が配当金として戻ってくるのかの数値。
配当性向は企業があげた利益の何%を配当金に回しているかの数値です。
トヨタ自動車は配当性向30%の維持に務める配当政策を掲げています。
しがたって、今後も株主利益の向上を重要な経営方針のひとつと位置づけるであろうことは容易に想像がつきます。
単元は100株からのため70~80万円の投資が必要ですが、配当金目当ての投資先としては非常に魅力的な銘柄と言ってよいでしょう。
また、先に解説したように経営の安定性と事業規模の大きさも安定した投資先として適しています。
資金力のある人にとっては継続した配当金収入のひとつとしてうってつけと言えるでしょう。
トヨタ自動車(7203)の株主優待
トヨタ自動車に株主優待はありません。
ただ、先に触れたようにトヨタ自動車はその代わりに配当金が高額です。
超低金利政策の続く日本で安定して3%近い利回りの出せる金融商品はそうそうありません。
株価の上下こそありますが、トヨタ自動車の経営は盤石です。
長期的に見て定期預金代わりに投資するのもよいかもしれません。
トヨタ自動車の株価分析を競合他社と比較
トヨタ自動車の株価分析を他社と比較してみましょう。
比較対象は日産自動車とホンダ。 日産自動車もまたトヨタ自動車と同じグローバル企業ですが、その業績はトヨタ自動車とは異なり2020年は赤字です。
また、チャートも下降の一途をたどっています。 チャートをみるかぎり、まだ底を打ったとは言い切れないところです。
対して、ホンダはある程度トヨタ自動車と同じような値動きをしています。
トヨタ自動車と同じく買い時と見てもよいかもしれません。
ただ、実際の業績を見るとトヨタ自動車以外は赤字です。
そのような大手総崩れのなかトヨタ自動車だけは黒字を確保しています。
ちなみに、ここまでは国産車のみで比較していますが、ゼネラル・モーターズやダイムラー、フォルクスワーゲンなどの外国車と比較しても同様です。
深刻な状況の中でトヨタ自動車の経営力の強さが表に出てきたかたちと言えるでしょう。
まだまだ市場は不透明ですが、こういった数値からも今後もトヨタ自動車の株価は堅調に推移していくことが期待されます。
トヨタ自動車(7203)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
トヨタ自動車の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説してきました。
トヨタ自動車の株価分析の結果、2020年はよい買い場といってよさそうです。
また、配当金に関してはトヨタ自動車は極めて手厚い配当性向となっていますので配当金による利益も狙えます。
一方でその代わりにトヨタ自動車に株主優待はありません。
トヨタ自動車は株主優待を期待するのではなく、株価の値上がりまたは配当によって手堅い収入を得たい人向きの銘柄と言ってよいでしょう。