ヤマトホールディングスはクロネコヤマトの宅急便でお馴染みの物流業者。
あるいは引っ越しでお世話になった人も多いことでしょう。
そんなヤマトホールディングスへ投資してみたいという人も少なくないはずです。
しかし、ヤマトホールディングスの株価分析は投資に値すると言えるのでしょうか。
また、配当金や株主優待、そして最近の売上状況などはどのようになっているのでしょうか。
そこで今回はヤマトホールディングスの株価分析と配当金、株主優待について分かりやすく解説していきます。
ヤマトホールディングス(9064)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説
ヤマトホールディングス(9064)の株価分析
ヤマトホールディングスの事業内容
ヤマトホールディングスは宅配便の最大手。
国内の宅配便事業で5割近いシェアを誇ります。
次いでシェアが大きいのは佐川急便、日本郵便は3位です。
また、宅配便事業の中でもヤマトホールディングスは個人向けが強みです。
対して佐川急便はBtoB、企業間の物流に強みがあります。
同じ物流と言ってもこういった違いがあることは株価分析の際には注意しておきましょう。
ちなみに、一般的に使われている「宅急便」という言葉。
これは一般用語ではなくヤマトホールディングスの商標です。
ヤマトホールディングスのおこなう宅配便は宅急便。 それ以外は宅配便です。
個人で物を送る際にはそこまで問題にはなりませんが、ビジネスで使うときは注意しておきましょう。
ヤマトホールディングスの売上の状況
ヤマトホールディングスの2020年3月期決算の連結売上高は1兆6,301億円。
そこから各種経費を引いた経常利益は406億円です。
利益率が少しばかり低い印象ですが、ヤマトホールディングスの事業のかなめは宅配に赴くスタッフです。
やはり人件費がかなりかかっていることが理由と思われます。
とはいえ、ヤマトホールディングスの売上の状況は決して悪くありません。
新型コロナウィルスの影響が法人向け事業に悪影響も外出自粛による個人の宅配需要が追い風となりました。
今後もこの流れは途絶えることはないでしょう。
唯一懸念があるとすれば人手不足です。
ヤマトホールディングスのビジネスモデルは労働集約型。
それにもかかわらず現在の日本は深刻な人口減少に悩まされています。
人手不足でせっかくの成長機会を逸してしまう可能性があることには留意しておきましょう。
ヤマトホールディングスの資産状況
2020年6月期におけるヤマトホールディングスの総資産は10兆834億円。
そのうち株主資本と資本金等が占める割合である自己資本比率は49.2%です。
自己資本比率は企業の財務的な健全性をはかる一般的な指標。
ヤマトホールディングスの49.2%という自己資本比率は十分に健全であると判断できる数字です。
基本的にヤマトホールディングスの株価分析で財務的な部分を考慮する必要はないでしょう。
ちなみに、自己資本比率は高すぎると資本を有効活用できていないと判断されることもあります。
その点、ヤマトホールディングスの自己資本比率はちょうどよいバランスが取れていると言っても良いでしょう。
ヤマトホールディングスの株価分析
じわじわと値を下げていたヤマトホールディングスの株価は新型コロナウィルスを契機に急回復。
ほぼ以前の水準まで戻しています。
新型コロナウィルス収束後も宅急便の需要は底堅いと予想されるため、株価が再び下落する可能性は低いでしょう。
ただ一方で、これ以上の値上がりを期待できるかは不透明。
新型コロナウィルスの特需以外に目立った好材料はありません。
天井である3,500を目指すにしてもいましばらくの時間がかかることと思われます。
ヤマトホールディングスへ投資する際は基本的に中長期保有を前提としておくことをおすすめします。
ヤマトホールディングス(9064)の配当金
ヤマトホールディングスの予想配当金は32円。
投資額に対するリターンの割合である配当金利回りは1.24%です。
この配当金利回りは平均的かそれより少し低めの数字です。
そこまで悪くはありませんがお世辞にも割が良いとは言えません。
なお、ヤマトホールディングスの前期の配当金は41円。
これはヤマトホールディングスが創業100年を記念したことの特例的な配当金です。
今後しばらくこういった記念配当金はないものと考えておきましょう。
ヤマトホールディングス(9064)の株主優待
ヤマトホールディングスに株主優待はありません。
宅配便というヤマトホールディングスの事業内容を考えるとこれも仕方のないことでしょう。
もし仮に優先宅配の特典などあれば株主としては嬉しいかぎりですが、そうなればヤマトホールディングスは一般消費者の信用を一気に失いかねません。
株主優待がないこともやむを得ないと割り切ってしまいましょう。
ちなみに、株主優待目当てで投資するのであれば、小売や交通系の銘柄がおすすめです。
それらの株主優待の大半は手厚い商品券やチケットの割引です。
仮に不要だとしても金券ショップで売れることも大きなメリットです。
特にヤマトホールディングスへの投資にこだわりがなければそういった銘柄への投資も検討してみてはいかがでしょうか。
ヤマトホールディングス(9064)の株価分析を競合他社と比較
ヤマトホールディングスの競合他社としてここでは佐川急便と日本郵政の株価分析と比較してみましょう。
まずは佐川急便の株価です。
正式名称としてはSGホールディングスです。
SGホールディングスの株価はヤマトホールディングス以上に急激に上昇しています。
ただし、すでに株価は以前の2街以上の水準。
いまから投資するにはやや加熱しすぎている印象です。
新型コロナウィルスにより法人向けの事業が厳しいはずですが、今ひとつ株価には表れていません。
少し行き過ぎと見ていったん調整が入る可能性が高いでしょう。
次に日本郵政の株価を見てみましょう。
日本郵政の株価はヤマトホールディングスとは対象的に明らかな下落基調。
まだ回復の兆しも見られません。
これは日本郵政が物流だけではなく保険や貯金の事業も手掛けていることが大きな理由です。
かんぽの不正販売を皮切りに株価は下落の一途をたどっています。
とうてい、ヤマトホールディングスの代わりに投資するのに適した銘柄とは言えないでしょう。
ヤマトホールディングス(9064)の株価分析と配当金・株主優待を分かりやすく解説 まとめ
ヤマトホールディングスの株価分析と配当金、株主優待について解説してきました。
株価については好調な売上を反映して好調。それほど過熱感も見られません。
ただ、今後も値上がりが期待できるかは不透明。
値上がりするにしてもいましばらく時間がかかると見ておいたほうが良さそうです。
また、ヤマトホールディングスは配当金もそれなりで株主優待もありません。
投資にあたっては副次的なリターンはあまり期待しないほうが良いでしょう。